よくジムのトレーナーが「10回が限界の重さでトレーニングしてください」と教えているのを耳にします。
本来は目的や対象筋によって回数は変えたほうが良いのでしょうが、10回は切りがよく、わかりやすいためトレーナーとしても伝えやすいのではないでしょうか。
ただ、10回という回数にとらわれ過ぎて、例えば数セット全てにおいて、重量を下げてでも10回を必ずこなそうとする人もいます。
この方法は、ディセンディングセットといいますが、果たして筋肥大においてディセンディングセットは有効なのでしょうか。
ここで、筋力の発揮形態について考えてみます。筋繊維は、「力を100%出すか、まったく出さないか」という極端な力の発揮の仕方をします。
そして、重量が増えるほど、動員される筋繊維数は増えます。
先ほどのディセンディングセットだと、セット毎に重量が減るわけですから、当然動員される筋繊維数は減っていきます。
これだとセットを重ねる意味が薄くなってしまいますね。
また、10回を行うために重量を減らしてしまうと、筋肉をしっかり追い込むことができているのかわからなくなってしまいます。
同じ重量でセット毎行っていれば、こなせる回数が減っていけばしっかりと筋肉を追い込めている目安になりますからね。
そこで、セット毎に重量を少しずつ増やしていくアセンディングセットを行うのです。
ただし、一気に重量を上げてしまっては、全くレップス数がこなせなくなってしまいます。
筋力向上なら良いですが、筋肥大も目的になると、それなりのレップス数やTUTが必要になります。
動員される筋繊維数をセット毎に増やせれば良い訳ですから、2.5kgアップ程度で良いでしょう。
具体的には、1セット目で8~10レップスが可能な重量に設定し、2セット目は2.5kg増やし、5~6レップス行うというような感じです。
もちろん十分インターバルは取りましょう。
アセンディングセットは、少しずつ重量を追加していくため、ウォームアップの心配が要らず、またケガのリスクも少なくなります。
デメリットとしては、もっとも高重量で行いたいときに、筋肉が疲労してしまっていることでしょうか。
上記は、いくつもある考え方の1つで、絶対に正しいというわけではありませんが、いつものトレーニングがマンネリ化している人は、ぜひアセンディングセットを試してみてはいかがでしょうか。