ネガティブでの筋力は、ポジティブで発揮できる筋力の20~30%増しになると、以前のコラムでお伝えしました。
つまり、筋肉に強い負荷をかけることができます。ただし、強い負荷がかけられる分、オーバーワークにもなりやすいため、頻度はそこまで多くなくてよいと思います。
それでは、具体的なネガティブエクササイズの方法をベンチプレスを例にお伝えしていきましょう。
ベンチプレスのマックスが100kgだとします。その場合、ネガティブでの最大筋力は120~130kgとなります。
そして、その重量の80%の重量を算出します。この場合96~104kgです。
重量を2.5kg刻みで考えると、下限の96kgに近い97.5kgを採用することにします。この重量でネガティブを行います。
97.5kgにバーをセットし、ゆっくりと3~4秒かけて下ろしていきます。そしてバーが胸についたらパートナーに手伝ってもらい、トップまで上げます。
これを繰り返し、下ろすときにコントロールできなくなったら、その時点で終了です。個人差がありますが、この方法だと3~6レップスが可能なはずです。
慣れてきたら、100kg、102.5kgと徐々に重量を増やしていくようにしましょう。
ベンチプレスはパートナーがいないとこの方法は不可能ですが、ディップスはできます。
ディップスベルトに重いウエイトをつけ、脚の力も使ってトップまで持って行きます。そしてゆっくりとコントロールしながら下ろし、また脚の力も使ってトップまで持っていくという繰り返しです。
この方法はチンニングなどでも使えます。
また、フォースト・ネガティブという方法もあります。これは、軽めの重量を使い、下ろすときにパートナーに上からウエイトを押してもらって、負荷を高める方法です。
例えばシーテッド・サイドレイズを例にとると、ダンベルがトップまできたら、パートナーが肘を上から抑え、ネガティブの負荷を高めます。
トレーニーは、パートナーが上からかける圧力に負けないように、全力でゆっくり3~4秒かけて下ろします。
ポジティブで上げられなくなったら、そこで終了です。
ネガティブエクササイズは強度がかなり強いため、1セットだけ行えば十分だと思います。