ボディメイクでも競技者でも、筋肉を肥大させていくことは重要なことです。そのためにはトレーニングだけではダメで、栄養もしっかりコントロールする必要があります。
栄養素の中でも特に重要なのはタンパク質だと思います。筋肉の材料になるわけですからね。タンパク質の摂取量に関しては色々な考え方がありますが、だいたい体重の2g程度の摂取を目安にしている方が多いのではないでしょうか。
そうなると体重が70kgの方であれば、1日に140g程度はタンパク質を摂取する計算になりますが、140gをすべて食事だけでまかなおうとすると大変です。(サラダチキンで約7個分)
そこで、サプリメントのプロテインが活躍するわけです。最もおススメしたいプロテインはホエイプロテインになります。
ただ、中にはホエイプロテインでお腹が緩んでしまう方もいるようです。これは乳糖不耐性と呼ばれ、乳製品などに含まれる乳糖(ラクトース)を摂取してしまうことで、お腹がゴロゴロなってしまったり、消化不良によりお腹が緩くなってしまう症状です。もちろんホエイプロテインにもこの乳糖が含まれています。
ホエイプロテインは効果が高くコスパにも優れているため、乳糖不耐性の方でも摂取したい方は大勢いると思います。
前置きが長くなりましたが、今回は乳糖不耐性の方でもホエイプロテインを摂取できるやり方があるのか、お伝えしていこうと思います。
乳糖によりお腹が緩む原因
まず乳糖を含む栄養素を摂取すると、小腸にあるラクターゼという酵素によってガラクトースとグルコースに分解されます。その後、小腸で吸収されます。
ただ、このときにラクターゼの活性レベルが落ちていると、小腸で乳糖が分解されず吸収されないまま大腸へ運ばれます。
大腸まで運ばれた乳糖は異物としてみなされて、身体の外に出そうとします。これがお腹が緩くなったり、下痢をしてしまう原因です。
ではラクターゼの活性レベルはなぜ低くなるのでしょうか。
ケース1:ラクターゼがもともと少ない。
ケース2:ラクターゼの働きが抑制されてしまっている。
例えば日頃からあまり牛乳などの乳製品を摂取していない場合、ラクターゼの分泌量は低下しますし、ラクターゼが働く理由もなくなるわけです。
日本人は第二次世界大戦以降、あまり牛乳を飲むという習慣が根付いていなかったために、ラクターゼが働きにくいような体質が遺伝されやすいという傾向があります。
逆にヨーロッパの人たちは牛乳を飲む習慣が根付いていたために、ラクターゼの活性レベルが高いという傾向があるようです。
しかし、上記のケースのどちらに自分が当てはまっているかはわかりません。ですが、ケース1と2によってとるべき対策が異なってきます。
対策
ケース1の場合は、ラクターゼの酵素を外から摂取してあげることで改善する可能性があります。例えばサプリメントで摂取するなら「Nature’s Way, ラクターゼ酵素」などがあります。
ケース2の場合は、ホエイプロテインを体内温度まで温めて飲むことで、体内のラクターゼの活性レベルを上げることができるかもしれませんが、例えば運動後にホエイプロテインを温めることは現実的に難しいかもしれません。
もし金銭的に余裕があるのであれば、ホエイプロテインの中でもアイソレート(WPI)を選択するとよいでしょう。
またWPIには、タンパク質の含有量が80~90%と、ホエイプロテインコンセントレート(WPC)と比べて10%程度高く、また、糖質や脂質もほとんど含みません。