塩分と高血圧の関係とは?

血圧の高い人は塩分を制限する。これは半ば常識となっています。

では、塩分と血圧にはどのような関係があるのでしょうか。

ヒトの祖先はもともと海にいて約3億年前に陸に上がってきたと言われています。このとき、陸上でも体内の液体を海水と同じような成分で維持するシステムが必要となりました。

このシステムを「レニン・アンジオテンシン系」と呼びます。レニンが腎臓から分泌されるとアンジオテンシンという酵素が活性化します。

すると、ナトリウムの再吸収が促されます。なおアルドステロンにはカリウムを排出する働きもあります。

塩分を多く取ると、体液が濃くなります。それを薄めるためには体液を増やす必要があります。そのため、しょっぱいものを食べると喉が渇き、水が飲みたくなるのです。

水を飲んで体液が増えると、それだけ多くの体液を運ぶために、心臓は圧力を強める必要があります。このため、血圧が高くなるのです。また、アンジオテンシンには血管を収縮させる働きがあり、これも血圧を高くする方向に働きます。

しかし、ナトリウムを大量に摂取しても、それに応じてレニンの分泌が減りますので、血圧は下がります。このシステムが正常に働いていれば、血圧の変動は起こらないはずです。

ですが、レニン分泌機構が上手く働かないと、体内のナトリウムが上手い具合に減ってくれず、血圧が高くなってしまうのです。

一方でレニン活性が正常な人は、常識的な範囲でしたら塩分を摂取しても全く問題ありません。ただし、レニン活性は30~40歳から低下し始めるため、血圧が高めの中年以降の人はレニン活性を計測したほうが良いかもしれません。