塩分摂取のメリットは?

例えば、体調が悪いときや疲れているときは、点滴をします。点滴の主成分はブドウ糖と生理食塩水です。

生理食塩水は細胞外液の浸透圧と同じになっています。これがただの水だと、細胞内液との浸透圧のバランスが崩れ、脱水や尿毒症を引き起こしてしまいます。

つまり塩分は体内の浸透圧や水分の量を正常に保つ働きがあるのです。

夏場にハードな運動をすると、大量の汗をかきます。このときは当然、水分補給が必要になります。しかし、ただの水を飲むだけではいけません。

汗をかくときには、同時にナトリウムも流出します。汗の成分のうち、0.05~0.5%が塩分だとされています。

仮に0.5%とし、1kgの汗をかいたなら、5gの塩分が身体から失われていることになります。

このときただの水を大量に飲むと、体内のナトリウム濃度が一気に低下します。これは問題ですので、逆に水の排出を増やして体液を濃くしようとします。

この減少を「自発的脱水」と呼びます。つまり水を飲めば飲むほど、自発的脱水により体内から水が排出されるという悪循環に陥ってしまうのです。

また、体内のナトリウムの一部は重炭酸塩となり、pHを一定に保つ働きをします。

トレーニングをすると、乳酸やビルビン酸、脂肪酸などの「酸」がpHを下げようとしますが、ナトリウムを摂取しておいてこそ、pHが正常に保たれるのです。

さらに塩分は消化にも必要とされます。胃酸の主成分は塩酸であり、この塩酸は食事で摂取する塩分を主な原料にしているのです。

夏バテのときは大量に水を飲むため、体内のナトリウムが少なくなり、胃酸があまり作られなくなって食欲が減退します。

こういったときは味噌汁などを多めに飲んで塩分を補給するようにすると効果的です。

なおハードなトレーニングやストレスに応じてコルチゾルの分泌が起こりますが、コルチゾルには水分や塩分の排出を増やす作用があります。

汗から排出されるナトリウムのことも追加して考えると、トレーニーは塩分摂取量を普通より多めに摂取しても、問題ないはずです。