皆さん一度はテレビなどで聞いたことがある食べ順ダイエット。食事は野菜から食べることで無理なくダイエットを行おうというもので、べジファーストとも言われています。
この食べ順ダイエットは手軽にできるダイエット法として、多くの方が実践したことがあると思います。ただ、実践しているほとんどの方がおそらく適切な効果を得ることができていないのではないでしょうか。
結論から言うと、野菜の消化時間を考慮しないと意味がないのではないかということです。その理由と効果的な食べ順ダイエットの方法をお伝えしていこうと思います。
食べ順ダイエットの理屈とは?
この食べ順ダイエットには、食物繊維の力が大きく関わっています。食物繊維は大きく分けて2種類ありますが、皆さんはご存知でしょうか?それは水溶性食物繊維と不溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維というのは消化器の中でゲル状になり、食べ物の移動を遅くしてくれたり、腸内細菌の栄養になったりします。
一方不溶性食物繊維というのは水には溶けませんが、水を吸って数倍から数十倍にも膨れ上がり、満腹感をもたらしたり便のかさを増やし、便秘を予防したりといった効果があります。
食べ順ダイエットは満腹感を得ることによってカロリーの摂りすぎを防ぐという狙いももちろんあるのですが、水溶性食物繊維の特徴を活かして、糖質の吸収スピードを緩やかにして血糖値の急激な上昇を抑えるというところがキーポイントになります。
血糖値の急激な上昇を抑えることができればインスリンの大量分泌も防ぐことができます。インスリンは血糖値が上昇することにより分泌されるホルモンで、栄養を細胞に届ける役割があります。もちろん体脂肪にも栄養を運びます。血糖値が急激に上昇すればするほどインスリンは大量に分泌されると言われていますので、水溶性食物繊維により血糖値を緩やかに上昇させてあげれば、インスリンによる体脂肪の合成も抑えることができるというわけです。
食べ順ダイエットの効果的な方法
それでは実際に食べ順ダイエットはどのように行うのが効果的なのでしょうか。ただ単純に野菜を最初に食べればよいという話ではありません。普通に考えて、野菜がある程度消化され、胃袋に水溶性食物繊維がある状態でないと糖質の吸収スピードを緩やかにするといった効果は望めないはずですよね。
具体的には、ごはんといった糖質を摂取する20~30分前に野菜を取っておかなければ十分な効果は得られないと思います。ただし、この理論だと野菜だけ食べて30分待って、そのあとごはんを食べるといった食事方法になります。これは皆さんやりたいと思いますか?
現実的な方法としてはイヌリンなどの水溶性食物繊維サプリメントを食事の30分前に摂取するという方法ではないでしょうか。イヌリンはアマゾンなどで比較的安く手に入ります。また、味もほとんどなく水にもよく溶けるので摂取しやすくオススメです。
その他のやり方としては、野菜ジュースをつくって食事の30分前に飲んでも良いでしょう。その際はスロージューサーでなく、ミキサーで野菜の食物繊維ごと摂取するのがオススメです。
というのが食べ順ダイエットの一般的な栄養学に基づいた考え方になります。ですが、実はここには落とし穴があるんです。それは、そもそもインスリンが肥満の原因かどうか問題です。
つまり、インスリンが大量に分泌されようが、緩やかに分泌されようが、体脂肪の合成には関係ないのではということです。ですが、食べ順ダイエットには一定の効果が期待できるのは確かです。それはなぜか。まあ先ほども少し触れたんですが、満腹感を野菜によって作り出すことができるというところに食べ順ダイエットの効果の秘密あるのではないかということです。
野菜はカロリーをあまり持たないことが多い、つまりローカロリーなので太りづらい食材群ですよね。それを最初に食べることで満腹感を得てから、カロリーを持っているご飯やお肉、つまり灰かろりーなものを食べることで、食べ過ぎを防げるという理屈です。
まあどちらにしろ一定の効果が食べ順ダイエットにはあります。ダイエットしたいけどあんまり食事は変えたくないという方は、食べ順ダイエットだけでも試してみてはいかがでしょうか。
ただ、ダイエットの基本は消費カロリーが摂取カロリーよりも多くなるように生活することですので、食べ順ダイエットの効果はプラスアルファー程度に考えておいたほうがよいかもしれません。